アルツハイマー。脳に病変が現れて発症までに20年

認知症、ならないために〜MCI:MCIとは何か編_2〜

Q 一般的に認知機能の低下はいつから始まるでしょう?

A 30歳代から
B 40歳代から
C 50歳代から

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Q 一般的に認知機能の低下はいつから始まるでしょう?

A 30歳代から
B 40歳代から
C 50歳代から

認知症は65歳以上の人に多く発症します。しかし、65歳から急に認知症の症状が始まるのではありません。

認知症でいちばん多い「アルツハイマー型認知症」は、脳に病変が現れてからもの忘れなどで生活に支障が出るようになるまで、20年ぐらいかかると言われています。つまり、65歳で発症する人の多くも40歳代から認知機能の低下が始まっていたと考えられます。

答えはBです。

認知症に対する大きな誤解の一つに「歳を取ればだれでもなる」というものがあります。しかし加齢による老化現象としての「もの忘れ」と、病的な認知機能の低下には明らかな違いがあります。

認知機能とは知覚や理解、判断、論理などの知的機能の全般をさします。視覚、聴覚、触覚、嗅覚などの五感もそうです。認知機能はすべてが同時に低下しはじめるわけではありません。どの機能が低下するのか、人によって程度やスピードも異なります。

MCI(軽度認知障害)は認知症の一歩手前の段階ですが、認知機能が低下していることを本人が自覚しています。この点が認知症との大きな違いです。認知機能は低下しているものの、適切に対応することで日常生活は支障なく送れますし、認知症への進行を抑えられる可能性もあります。

現在、65歳以上の日本人の4人に1人以上がMCIか認知症だと言われています。2012年時点で、認知症の全国の有病率は推定15%。MCIの全国の有病率は推定13%でした。

認知症は「歳を取ればだれでもなる」避けられない病ではありません。認知症にならないためにはまずMCIの段階で気がつくことが重要です。もし、最近もの忘れが増えたりして「あれ?」と思ったら、それはMCIの段階かもしれません。あわてず、落ち込まず、そこで正しく対処することが大切です。

認知機能の低下が見られるものの病的ではない、グレーゾーンの状態であるMCI。認知症は防げないといわれてきましたが、MCIの段階で正しく対処すれば、認知症へ進行するのを防げる可能性があります。当シリーズではMCIを見逃さないための知識、認知症の予防策をご紹介していきます。

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■監修■朝田隆(東京医科歯科大学脳統合機能研究センター認知症研究部門特任教授/メモリークリニックお茶の水理事長)
あさだ・たかし 1955年生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業。同大学神経科精神科、山梨医科大精神神経科、国立精神神経センター武蔵野病院精神科、筑波大学精神医学教授などを経て現職。認知症の早期診断法や予防、リハビリに携わり、MCIの啓蒙活動を積極的に行っている。

文/佐藤恵菜 イラスト/みやしたゆみ

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