激似!国宝『救世観音』と古代ギリシャ『コレー像』

【連載】国宝の見方が変わる「救世観音」

法隆寺「夢殿」の秘仏『救世観音(くせかんのん)』が秋期公開中だ。期間は10月22日から11月22日まで。普段は夢殿の奥に安置され、公開されるのは年に2回、春季(4月11日から5月18日)と秋季のみである。その顔と体は1400年前のものとは思えないほどの輝きに包まれ、アルカイック・スマイルをたたえている。

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国宝『救世観音』(『週刊ニッポンの国宝100』第7号「法隆寺 救世観音・雪松図屏風」より)

法隆寺「夢殿」の秘仏『救世観音(くせかんのん)』が秋期公開中だ。期間は10月22日から11月22日まで。普段は夢殿の奥に安置され、公開されるのは年に2回、春季(4月11日から5月18日)と秋季のみである。その顔と体は1400年前のものとは思えないほどの輝きに包まれ、アルカイック・スマイルをたたえている。

奇跡的に保存された観音像

『救世観音』(観音菩薩立像)は約1400年前に造立された、日本で現存最古の木像彫刻のひとつだ。頭部から足を乗せる台座まで一木(いちぼく)で彫られ、漆などを塗った上に金箔が押されている。高さは178.8センチである。

木像彫刻は金箔が剥落しやすいが、『救世観音』は造立当時の金箔の輝きが失われていない。これほどまでによい状態が保たれた理由は、秘仏として徹底して外部から遮断されたことにある。

奈良時代に斑鳩宮跡地に夢殿が建立されると、『救世観音』はその本尊とされた。そして平安時代末期には秘仏とされ、法隆寺の僧侶でさえも夢殿の厨子の扉を開けることを禁じられたという。

明治時代に入り、お雇い外国人として来日したアメリカ人の東洋美術史家、アーネスト・フェノロサは、岡倉天心とともに政府の許可を得て、法隆寺の宝物調査に訪れた。そして、僧侶たちを説得して、平安時代末期から明治まで一度も開いたことのない厨子の扉を開いたのだった。明治17年(1884)のことである。

発見時、『救世観音』は「500ヤード(約450メートル)」もの白布に巻かれていたという。この白布と、厨子の扉と、さらに人々の篤い信仰心が『救世観音』を守り、現代に伝えたのである。

『週刊ニッポンの国宝100』(小学館)第7号14ページより

仰天!ギリシャの『コレー像』と『救世観音』がそっくりな件

『週刊ニッポンの国宝100』(小学館)第7号「法隆寺 救世観音・雪松図屏風」では、『救世観音』の美の魅力を詳しく解説している。なかでも見逃せないのが、『救世観音』と、ギリシャ・アクロポリス博物館所蔵の『コレー像』(紀元前530年頃、大理石)との「アルカイック・スマイル」対決だ。

これがもう、そっくり。はっきり言って当人同士もびっくりだろう。「自分にそっくりな人は世界に3人いる」とよく言われるが、もうそのレベル。誌面では、目元・鼻・口元と、しつこいくらいにディテールを比べているが、人種だとか性別だとか年代だとか素材だとか肌の色(『救世観音』は金色なので)だとかを越えて、崇高な相似形を見る思いだ。ぜひ実際に、本誌を開いてみてほしい。

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文/まなナビ編集室 写真協力/小学館

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