大学の公開講座で学ぶ美肌づくりの栄養学

管理栄養士から栄養学を学ぶ~美肌づくりの栄養学~@龍谷大学

「私たちは天然の保湿成分を持っています。それをうまくキープして利用することが美肌への道です」と語る、龍谷大学の中村富予先生。そのためには毎日の食事が一番大事だ。美肌づくりの栄養学を学ぶ。

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龍谷大学「美肌づくりの栄養学」講座

「私たちは天然の保湿成分を持っています。それをうまくキープして利用することが美肌への道です」と語る、龍谷大学の中村富予先生。そのためには毎日の食事が一番大事だ。美肌づくりの栄養学を学ぶ。

美肌の大前提は、天然保湿成分の絶対キープ

「女性は美肌づくりのためにスキンケアを欠かしません。美肌に良いとされるコラーゲンやヒアルロン酸入りの化粧水・美容液を求め、お肌にたっぷり塗りますよね。でもそれって実は人間の細胞に含まれています。天然の保湿成分を、もともと私たちは持っているのです

こう語るのは、龍谷大学農学部教授で管理栄養士の中村富予先生だ。龍谷大学では「美肌づくりの栄養学」と題した公開講座が持たれている。

天然の保湿成分をつくるのは、細胞内のタンパク質やその他の成分。タンパク質は水分を引き寄せる作用を持っている。理想的な肌の水分量は20%くらいだ。これくらい水分を含んでいると、肌はふっくらして見えるという。この水分が失われるのを防いでいるのが、皮脂腺からの油と汗腺からの水分がミックスしてできた天然の乳液

昔は肌を潤しているこの天然の乳液をそぎ落とすくらい徹底的に洗顔をするという考え方が主流だったが、今はこれらを保持した上で化粧水や美容液の力を借りて美肌力を高めようという考え方にシフトしているという。とにかく美肌の大前提は、この天然の保湿成分の絶対キープを、うまーく利用すること。

女性は男性より体内の水分量が少ない!

目からウロコだったのは、男性より女性のほうが体内の水分が少ないという話。男性の体は、水分60%、タンパク質20%、脂肪15%、ミネラル5%くらいからできているが、女性は水分が10%程度男性より少なくて、その分脂肪が増えるという。男性のほうが水分割合が多いというのは驚く話だったが、筋肉に多くの水分割合が含まれているのだそうだ。

体をかたちづくるものは、毎日口にする食べ物だ。

「体を美しくしないと、肌も美しくなりません。体を作る栄養素をバランスよく取ることこそが、天然成分をキープしながら上手に放出させて美肌をつくる大きなポイントとなります」(中村先生。以下「 」内同)

朝食・昼食・夕食の三食を、規則正しく取る
しっかり食べしっかり眠り、決まった時間に朝日を浴びる

これこそが美肌づくりの基本の「き」だ。肌のもととなるタンパク質は毎日入れ替わるから、体重60㎏の成人の場合、毎日60gくらいのタンパク質を摂取したほうがよいという。

美肌づくりに知っておくべき5大栄養素

たんぱく質や炭水化物など、かつて授業で学んだ食べ物の五大栄養素。今となっては、何に含まれているの?その効果は?と聞かれると分からないことが多い。あらためて、そのはたらきを知り「美肌づくり」に活かしていこう。中村先生の分かりやすいアドバイスと共に紹介する。

(1)たんぱく質:肉、豆腐、卵など

「皮膚をつくるたんぱく質は、栄養素でいちばん大事なもの。不足すると筋肉が落ちていきます。毎日入れ替わるので、毎食取るように。たんぱく質は約20種のアミノ酸でできていて、なかでもアミノ酸スコアの高い、肉類、魚類、豆腐、卵、牛乳・乳製品を食べると良いでしょう。よく耳にするコラーゲンもたんぱく質の一種で、細胞同士の接着剤のような役割をしています」

(2)炭水化物:ごはん、パン、麺類など

「主なはたらきはエネルギー源です。最近、糖質制限をよく耳にしますが、少しは食べないと体の機能はうまく働きません。炭水化物は糖質と食物繊維を合わせたものです。糖質を取り過ぎると肥満の恐れがありますが、不足が続くと疲れやすくなるので、適度な摂取を心がけましょう」

(3)脂質:油、バター、マヨネーズなど

「脂質を取り過ぎるとニキビができると言いますが、体内で作れない脂質もあるので、適度に取るようにしてください。ただバターなどの「見える油」とドーナツやウィンナーなどの中に含まれている「見えない油」があるので、注意が必要です。脂質は体内に長時間留まるため、夕食に多く摂取すると安眠の妨げになるので、昼食で取るようにすると良いですね。ダイエットにも効果的です」

(4)無機質:カルシウム(牛乳・小魚など)、鉄(赤身肉・魚、ほうれん草など)

「カルシウムは骨や歯を形成し、筋肉の機能維持をします。牛乳は認知症のリスクを低くすると言われているのでおすすめです。鉄は血液の材料です。たんぱく質やビタミンCなどと一緒に食べると吸収がよくなります」

(5)ビタミン類:ビタミンA(レバー・緑黄色野菜など)、ビタミンB群:ビタミンB1・B2・B6・B12・ナイアシンなど(肉・魚介類・卵・牛乳・大豆製品など)、ビタミンC(果物・野菜など)、ビタミンD(魚介類・干し椎茸など)ほか

「ビタミンB群が不足すると、肌が荒れ、ニキビができやすくなります。体内で生成できないビタミン類は、必ず食事から取りましょう」

そして第6の栄養素といわれるのが「食物繊維」。ビフィズス菌などの善玉腸内細菌の栄養分にもなり、便秘解消に最適。快食快便快眠を心がけて美肌になりましょう。

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〔大学のココイチ〕今回講座が開催されたのはびわこ文化学園都市の中にある瀬田キャンパス。農学部はこの瀬田キャンパスにある。2015年に誕生したばかりで、ピカピカの教室と調理学実習室で講義は進められた。

◆取材講座:「管理栄養士から栄養学を学ぶ~美肌づくりの栄養学~」(龍谷大学RECコミュニティカレッジ)

文・写真/村田ゆかり

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