カオスの中から生み出すのが楽しいんです

【Interview】 45才のビジネススクールライフ(後編)@法政大学経営大学院

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「一般的に、アカデミックな修士論文は学会誌や専門誌に掲載されるような体裁――まず、なぜこのテーマを選んだかという課題認識と問題提起から始まり、次にどんな専攻研究があったか、さらに自分の研究がどう新しいかを述べる。そして最後に残された課題をまとめる――というものが多いと思います」

「ですが、この研究科はそういった理論に基づいた論文形式でなくてよくて。ビジネスプランや、診断士になったらどんな風にコンサルティングをしたいかという、コンサルメソッドをまとめてもOK。わりと自由なんですよ」

エクステンションカレッジと違うのは、複数の科目をとり、体系的に学べるところ。必修科目は17科目ある。

議論しながらホワイトボードに書きまくる

「M特はMBAと中小企業診断士に必要な科目がミックスされています。経営戦略論、マーケティング、人的資源管理論、生産マネジメント、リテールマネジメント、経営情報戦略論、コンサルティング技法、中小企業政策論…などが必修でした」

「これらは大学の期末試験みたいな感じで、学期ごとに課題が出ます。“日本の企業の戦略上の課題について述べよ”とか、“古い産業の中でイノベーションを起こす事例を示しなさい”とか、5~6枚のレポートにまとめます」

「科目によってはウィークリーに課題が出てレポート1枚書くという授業もあり、グループでディスカッションをした後プレゼンテーションする授業もあり。加えて週に2回は実習、さらに修士論文に向けて研究テーマを抱え……。入学したての春学期はとくにつらかった。へとへとでした(笑)」

「ディスカッションルームにこもり、みんなとわーわー議論しながら、ホワイトボードに書きまくる、模造紙にポストイットを貼りまくる。朝昼は大学前のリンコスのお弁当を食べ、夜遅くリンコスのお惣菜を買って帰り続けるハードな日々も、振り返ると「すごく面白かった」。

「こんな風に世代も職種もバラバラの人たちが集まって、意見を出し合う面白さは、大学院に来なければ味わえなかったと思います。それに、昔(大学生の時)と違って先生と年齢が近くなってる分、自分の経験値からくる意見を先生にぶつけやすい。なかにはオフ会になるとタメ語になっちゃう人もいて、懇親会の席で“先生、あれはおかしいんじゃないの”って言いだしたりして(笑い)。先生も気さくな人が多いので、話し易いんです」

ただし、向き不向きも。

 

ピリピリしてくるのも面白さ

「うちはカオス状態から何かをクリエイトするので、スケジュール通り授業が進みません。ティーチング形式で教えてもらいたいという人は、違う学校を選ぶか、オープンユニバーシティで好きな科目を選んで履修する方がいいかもしれません」

「でも、混乱してる中でわいわい作りたいという人にはとても向いてると思います。実習が大変になってくるとピリピリしたりしますけど(笑い)、それこそがチームでやる面白さ。本当のダイバーシティ(多様性を受け入れて生産性を高める)を学ぶ絶好の機会でした」

〔前の記事を読む〕白い垂れ幕を見たのがきっかけで大学院に通うことに

文/まなナビ編集室 写真/Adobe Stock

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